ケープタウンの保護観察官が裁判所に遅刻、さらに服装が相応しくないとして、裁判官から着替えをしなければ逮捕するとまで言われてしまった。
元大手銀行員部長(42)の裁判が行われた。彼女の罪は総額100万ランド(約1190万円)にも上る4件の詐欺罪。彼女に対する判決を行う前に、裁判判事は保護観察報告を必要としていた。
11月18日朝9時ごろ、保護観察官による報告が行われる予定だったが保護観察官は不在。1時間半後に再び裁判が行われたとき、保護観察官が傍聴席から現れた。しかし、その姿を見た誰もが絶句したという。
彼は濃い色のズボンにいたってカジュアルな黄色のシャツを着ていたからだ。彼の「交通渋滞のため」という遅刻の言い訳は服装同様、判事をうんざりさせるものだった。判事は「国家公務員として、裁判所へ来るのにジャケットなりネクタイなり、適切な服装をしようとは思わないのですか」と問いただしたところ、保護観察官は「気づきませんでした」と予期しない質問に驚いたようだった。
判事が「保護観察官が適切な服装をしてくるまで、裁判は中止」と言うと、保護観察官は「家に帰らなければなりませんか?」と質問。判事は「きちんとした服装になれる場所へ行きなさい。午前11時半までに戻らなかった場合は逮捕委任状が出されます。」と脅した。
そして11時半、保護観察官は時間通りに現れ、服装はけばけばしいネクタイにボタンを留めていないシャツ、黒いブレザーという出で立ちだった。判事はとりあえず裁判を開始した。
日本と違い、文化的な服装もあり、それほどドレスコードにうるさくはない南アフリカだが、やはりTPOを考えた服装をするべきだったようだ。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)