「手をつないで歩いているほど仲の良い夫婦だった」と近所の評判だったカップル。しかし、夫は妻を銃で撃ち殺害、そして自分も銃で自殺した。残されたのはまだ1ヶ月の女の子だった。
住民がその家のハエの多さと、悪臭に気づいたのは10月29日。ノックをしたが返事はなくテレビとラジオの音がしているだけだった。住民は警察を呼びドアを開けると、血を流した夫婦が床に横たわり、ベッドの上にはピンクのブランケットにくるまれた赤ちゃんが横たわっていた。誰もが全員死亡と思っていたのだが、赤ちゃんを運ぼうとした警察官が赤ちゃんが瞬きしているのを見て急いで救急車を呼んだ。
通常なら死亡確認をするものだが、警察側は声も立てずピクリとも動かない赤ちゃんを見て死んでいると思い、救急隊が到着してから死亡確認をしてもらおうと思っていたそうだ。
『仲の良い』夫婦は口論となり、夫が妻に銃を発砲、その直後に同じ銃で頭を撃ち自殺したと思われている。夫(30)はセキュリティ会社に勤めており妻(19)はまだ大学生で、夫が授業料などを払っていた。口論はおそらく金銭的な問題だろうと警察は見ている。殺害に使用した銃はセキュリティ会社のものではなく、夫がどこで銃を入手したのか捜査中である。
無事5日間生き延びた赤ちゃんは、両親が亡くなった日に生後1ヶ月となったばかり。発見当時は目が落ち窪み、泣き疲れて声も出ていなかった。ある医師によると、生後1ヶ月の赤ちゃんは体に蓄えている脂肪と水で、しばらくの間は飲まず食わずでも生き延びられるそうだ。実際、15日間生き延びた赤ちゃんもいるという。
しかし、精神面では生後1ヶ月とはいえトラウマはあるそうだ。「赤ちゃんは銃声を聞いており、その後静寂が襲っている。小児科医は赤ちゃんを充分気をつけて診なければならないし、もう少し成長したら精神科医も必要となるだろう」と医師は言っている。
残された赤ちゃんには、トラウマを乗り越えてすくすくと成長してもらいたい。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)