アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】共通点は”9発の銃弾”。米ラッパーに「サイ殺戮の撲滅喚起」を要請。(南ア)

サイの乱獲が先月から問題となっている。サイの角を盗るために殺害しているのだが、過去3週間だけでも21名が逮捕されている。この悲劇を食い止めるために白羽の矢を立てられたのがなぜかアメリカの有名ラッパー”50セント”であるという。サイと米ラッパーの意外な共通点とは?

先月、南アフリカのリンポポ州でサイ密猟組織のメンバーと思われる11名が逮捕された。その中にはサイを守るべき立場の獣医、禁猟区の農場主などがいたそうだ。彼らは逮捕されたが保釈金2万ランド(約24万円)から100万ランド(約1200万円)を払って一時釈放されている。この11名は過去数年にわたるサイの乱獲、サイの角売買など数百件にも及ぶ事件に関わっていると思われている。

かの有名なクルーガーナショナルパークでもサイの乱獲は堂々と行われている。レンジャー隊員がナショナルパーク内を散策中に、男性数名がライフルやサイの角をもって歩いているのを発見、さらにサイの死体も近くで発見された。彼らはその場で逮捕されたが、保釈金を払って釈放されている。また先週はクワズル・ナタル州の禁猟保護区で5名が逮捕されている。この禁猟保護区では過去10日間で3頭のサイが殺害され、角が切り取られていた。

南アフリカでのサイの密猟は急上昇しており、今年の1月以降サイの被害は過去15年で最高の210頭、昨年の122頭に比べて大幅に増加している。これは東アジア、東南アジアでサイの角が医療に役立つことから、ブラックマーケットでサイの角が急騰しているからだそうだ。

ここで登場するのがアメリカのラッパー50セント。南アフリカのある団体からサイの『救世主(ゴッドファーザー)』になって世界中にサイの乱獲が激化していることを喚起してもらいたいという要請があった。50セントが選ばれたのは、フィラ(Phila)というサイが50セントと共通点があるからだ。フィラは黒サイで、密猟者から9発の銃弾を受けたが生き延びたというサイ。そして50セントも同じくドラッグディーラーから足を洗ってミュージシャンになるときに9発の銃弾を受けている。

絶滅危惧種でもあるサイを絶滅に追いやる権利は人間にはない。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)