先週は狂言誘拐の末に赤ちゃんを殺害した17歳の少女がいた。今週はマンホールに生後数日の赤ちゃんを捨てた母親がいた。運よく目撃者がいたため、赤ちゃんは無事保護されたが、「少女の妊娠に対するサポートを」という声が日に日に高まってきている。
ケープタウンで赤ちゃんの命を救ったのは24歳のトラック運転手。10月8日午後3時半頃、産業地区で仕事をしていた運転手がある少女を見かけた。少女はうつむいていたので顔は見えなかったが、道路に背を向けて赤ちゃんを抱きマンホールのそばに座っていた。運転手と同僚がいくつかの荷物をトラックから降ろし、約20分後トラックでマンホールのそばを通ると少女はすでにいなかった。「心の中で『止まれ』という警告が聞こえた」という運転手がマンホールに近づいてみると、か細い声が足元から聞こえてきた。
マンホールのふたを開けると、赤ちゃんは排水溝の下に横たわっていた。顔以外は全て汚れた水に浸っていたそうだ。運転手は赤ちゃんをすぐに取り出し、警察へ通報、赤ちゃんの濡れた服を脱がせて自分のジャケットをかけた。運転手は「自分には4歳の息子がいる。赤ちゃんをこんな冷たくて汚い水の中に入れることができる神経がわからない」と述べている。
助けられた赤ちゃんはある施設が保護し、その職員によるとぽっちゃりとした元気な赤ちゃんで、命に別状はないそうだ。なんと赤ちゃんは生後たったの3~5日しか経っていなかったそうだ。警察は幼児遺棄として捜査している。
ケープタウン幼児福祉施設によると、ケープタウンだけでこの1年間に500~600人の子供(主に新生児)が捨てられているそうだ。赤ちゃんの母親のほとんどが若い女性で、学校や家のサポートがなく、もちろん赤ちゃんの父親からも援助がない状況だという。また、妊娠、避妊に関する情報が乏しいことも問題となっている。
被害者はいつも弱者だ。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)