9月26日の朝、ケープタウンのど真ん中にあるコンベンションセンター（CTICC）を通る車は一様に不気味な惨状を目撃することとなった。道を覆うほどの鳩の死骸が散らばっていたからだ。

なぜ鳩が一度にこれほど死んでいるのか、原因は解明されていない。ある鳩は車にぶつかったようなつぶされた形をしており、またある鳩は人形のように汚れひとつなく死んでいた。

一部では先週行われた空軍の航空ショーなるものが原因ではないかと言われている。このショーでは、空軍で使用されている軍機やヘリコプターが練習も兼ねて飛んでおり、迫力満点のアクロバットなどが披露されている。中でも耳をつんざく音と風を切る速さで飛んでいく戦闘機はショーの目玉だった。この音が心臓に悪かったり、運悪くぶつかったりしたのではないかとも言われていた。しかし、鳥類学者によるとそれはあまり考えにくいという。都会の鳩は基本的に衝撃や騒音に慣れている強い鳩だからだそうだ。

次に考えられるのは毒殺。港に近い場所では船の積み降ろしの際にこぼれ落ちた穀類を食べに来る鳩が多いので、その鳩を規制するために毒殺したのではないかとも言われている。

いずれも警察が捜査中であるが、現在新しい鳩の死骸は報告されていないそうだ。
（TechinsightJapan編集部　近藤仁美）