自動車関係の労働者がストライキを行っている中で、ガソリン関係の労働者もストライキに入った。しかし、彼らも国家公務員同様、ストライキの質が低く非常に悪質である。現在もガソリンスタンドは営業停止のところが多く、暴徒と化したストライキグループの襲撃で1人が意識不明の重体となっている。
ガソリンスタンドやガソリン運送者などガソリン関係労働者がストライキに入っている。国の提示は今年が10%、来年が9%、そして2012年に9%の賃金増となっている。しかし、彼らの要求は今年15%の賃金値上げだけでなく、4.3%のボーナス増、週末勤務時の給料を倍額にすることなどであり交渉は停滞している。
南アフリカの都市部では、60名以上もの暴徒と化したストライキグループのため一時的にガソリンスタンドを営業停止にしなければならなかった。彼らは働いているガソリンスタンド従業員や自動車産業労働者までもストライキに参加するべきと脅し、挙句ガソリンスタンドでガソリンを入れている客にまで怒りをぶつけていた。
ケープタウンのストライキグループは鞭や棒、ブロックなどを持ち歩きながら行進、ガソリンスタンドを見つけると走って行き従業員を襲った。また、ガソリンを入れようと立ち寄った車だけでなく駐車場にある車までも棒などで叩いていった。それだけでは満足しなかったのか、彼らはストライキの様子を撮っているカメラマンを「撮るな」と脅す、レポーターに「報道するな」とブロックを投げつけるなどの行為にまで及んだ。また、ガソリンスタンドの周りを警護している警察官にまで「出て行け」と罵声を浴びせる者もいた。
ケープタウンの金属業労働組合(Numsa)事務所がある場所では1000人以上が集まっており、多くの警察官が監視し、警察のヘリコプターが上空を飛ぶほどの騒動となっていた。彼らは事務所外にあるガソリンスタンドや自動車販売所などを柵などで封鎖する予定だったようだが、これ以上の暴徒は収拾が付かず逆効果ということで大事には至らなかった。
唯一の被害者はガソリンスタンドの警備をしていた男性(31)、彼はストライキグループにブロックなどで襲われた。救急隊によると彼は頭部を激しく負傷し、頭蓋骨が数箇所も折れていたという。日曜日の午後に一度手術が行われたが、未だ意識不明の重体となっている。警察では殺人未遂として捜査を行っているが、ストライキに参加しているのは組合員だけではないことから犯人の特定が難しいようだ。
ストライキは自分たちの賃金のためなのだから、周りに迷惑をかけて政府を追い詰めようとする低俗な行為はやめてもらいたい。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)