タイには、僧侶専用の病院が各地域にある。そうした僧侶専用の各病院にて、2006年から3回にわたって、僧侶の健康状態に関する検査データがとられ、その結果が発表された。
僧侶の健康調査は、2006年から2007年の間に2回、そして、2008年から2009年の間に1回の計3回実施された。
1、2回目の調査はバンコクの僧侶9,305人が対象となった。
また3回目の調査では、タイ国内全域の寺の僧侶が対象となり、中央部の寺の僧侶18,060人、北部10,309人、東部3,723人、東北部40,738人、西部3,712人、そして南部4,403人の健康状態が検査された。
3回の検査によって、全90,250人の僧侶の健康状態に関するデータが集計されたのである。
調査結果によると、まず僧侶の喫煙率は41.3%におよび、一般の人々の喫煙率20.2%を大きく上回った。北部の僧侶の喫煙率が、他地域に比べると低かったものの、それでも一般の人々の喫煙率を上回っていたという。
また、健康状態にまったく異常がない僧侶は半数に満たず、24.3%が病気一歩手前の”要注意”の状態。29.5%の僧侶が何らかの病気を患っていることが判明した。
病気を患っている僧侶が多かった地域はタイ西部、中央部、東部であり、糖尿病、高血圧、高コレステロール血症などを患っているケースが高かったという。
僧侶のこうした一連の病気は、一般の人々が托鉢する食事、および僧侶の運動不足にあると考えられ、そのため病院側は一般の人々に対し、僧侶への托鉢の際には野菜を多くするなどといった食事への配慮を呼びかけている。
健康に気をつかう僧侶のジョギング姿が見られるようになる未来も、そう遠くは無いのかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 若曽根了太)