アジア発!Breaking News

writer : katakura

【アジア発!Breaking News】外出は年に一度だけ。8年間寝転がって過ごす青年が稼いだ意外な金額。(中国)

“引きこもり”という言葉が語られるようになって久しい。近年は、成人の引きこもりが増え、親の死を隠してその年金を不正に受給する事件も起きている。中国吉林市に住むある青年は、中学2年で不登校になってから8年間、“毎日何もせず寝転がるだけ”“外出は年に一度の散髪の時だけ”という生活を送ってきた。しかし、試しに始めた株で5万元(約64万円)の収入を得たという。

青年は基本的に同じ毎日を送る。仰向けになったり、横向きになったり、うつ伏せになったり。いろんな姿勢で体が疲れないようにする。ご飯をほとんど食べない日もあり、顔は何日も洗わない。テレビは見ず、音楽も聴かず、ただ寝転がるだけ。そんな青年を祖母は特別可愛がり、好きにさせていたようだ。

しかし、2006年に祖母が他界し深く悲しんだ青年は、突然何かをしたくなったという。そこで叔父から譲り受けた中古のパソコンを使って、株やゲームでお金を稼ぐことを始めた。元手4000元で始めた株は、今年初めまでで5万元(約64万円)になっている。このほか、ゲームでも年1万元(約13万円)の収入があるという。現在、中国の平均月収は2000元程度とされているが、あくまで平均であり、貧富格差の大きい中国では、月収499元未満の所得者が30パーセントを占めている。そんな中、これだけの収入を寝転がりながら獲得した青年。なかなかセンスがいいのだろう。

ところが、頼まれた株取引で損をしたことから、叔父との関係がこじれてしまった青年は精神的なショックを受け自殺を図るようになり、現在は、4年前のような毎日寝転がってばかりの生活に戻っている。

記者にも以前、引きこもり予備軍だった経験がある。しかし、現代は、パソコンひとつでお金を稼ぐことが可能な時代である。外に出て、人と付き合うのが苦手なら、家の中だけでも収入を得ることができるのだ。たくさんでなくてもいい。少しでも収入があれば、自信になりはしないだろうか。自分を無価値に思うこともない。何よりも社会とのつながりになる。引きこもりになるには様々な原因があり、その程度も様々である。しかし、“もしかしたら・・・”と望むことを止めないでほしい。できることから始めればいい。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)