台湾には西暦1912年を元年とする民国という年号があり、今年は民国の99年にあたる。その民国99年9月9日、台湾全国で結婚ラッシュが起きた。中にはネット仲間999人の祝福VTRを用意してプロポーズする男性もおり、ロマンチックな一日となった。
日本では救急の日とされている9月9日。中国語では9を「ジォウ」と読み「久」の漢字と韻が同じになる。そのため、99年9月9日には「ずーっと」という意味の語呂合わせができるのである。内政部の統計によれば、この日結婚登記を行ったカップルは6063組。普段が約200組なのに比べると実に30倍ものカップルが結婚したことになる。また、戸籍課担当者の話では9時9分に登記するカップルも多かったという。
「今日結婚しなければ次は900年後」と口を揃える新郎新婦たち。この日をプロポーズの日に選んだ男性もいた。999発の花火と999人のネット仲間からの祝福VTR、99本の花束を用意し、99人の友人の立会いの下、交際9年目となる女性にプロポーズした。
後輩のパーティーがあるからと浜辺に目隠しで連れてこられた女性。用意されているのは花束だと思ったという。しかし、目隠しを外してみると、スーツ姿で跪き、指輪を差し出す恋人がいるではないか。更には、999人が「結婚して」と叫ぶVTRが流れ、花火が夜空を彩った。男性が心を込めて準備したプロポーズは、大成功に終わった。
多くの女性が一度は憧れるであろう“ロマンチックなプロポーズ”。しかし、お互いさりげなく確認して、なんとなく結婚が決まったという話もよく聞く。
結婚が決まってしまえば、慌ただしい結婚準備でロマンチックはどこへやら。だからこそ「プロポーズはロマンチックにしてほしい!」 これは、なんとなく結婚が決まった一人である記者の世の男性への願いである。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)