南アフリカ全土で行われている公務員のストライキ。このストライキで一番困るのが「国立病院職員」のストライキだ。私立の病院に比べてはるかに値段が安いので、貧しい人々が必要としている国立病院。この病院が機能しなくなり多くの被害者が出ている。

およそ1週間にもおよぶ公務員のストライキ。100万人以上の職員が行進し、賃金値上げの交渉を行っている。教師もストライキに入り学校は休校、役所や警察も一部しか機能していない。さらに国が運営する病院の職員も仕事放棄、門を閉めて困っている患者を見過ごしている。

ある女性は病院がすべてストライキに入っているので受け入れてもらえず、結局病院の駐車場で出産することになった。

また、怪我人も被害を被っている。怪我をして60分以内に専門家に診てもらわなければならない、いわゆる『ゴールデンアワー』に間に合わないと命に関わる場合は何をか言わんやである。

よりによってストライキ中に男性（21）が両手を切断された。男性は女性を巡る口論で友人から鉈で斬りつけられ両手を切断されてしまった。両手はすぐに氷に入れられ、救急車も到着したが受け入れてくれる病院がない。救急車は2つの専門病院と5つの病院を回ったがどれもストライキ中、ヨハネスブルグからプレトリアまでヘリコプターで搬送しなければならなかった。

大都市でのストライキは過激化しており、警察がゴム弾を発砲したり水を噴射しているエリアもある。とはいえ、非は政府にもあり、予算の多くをワールドカップスタジアム建設に費やしたため、賃金増加の余裕がないという状態だそうだ。
（TechinsightJapan編集部　近藤仁美）