警察犬というのはどんな犬よりも訓練されていなければならない。そして犯人をしとめる機敏さと獰猛さが必要となるが、今回はそれが裏目に出たようだ。警察犬が犯人だと思って飛びかかったのは、無実の61歳になる女性だった。
土曜日、61歳の女性は自宅のガーデニング作業をしようと外に出ていた。そこへ警察のバンが現れて後ろの荷台から巨大なジャーマンシェパードが飛び出した。シェパードは容疑者である男を捕まえるために走り出したのだ。
女性も男がものすごい勢いで逃げていくのを目撃していた。シェパードは男を追いかけるだろうと女性は思っていたが、シェパードが一目散に飛びかかったのは残念ながら女性のほうだった。警察犬に付き添っている警察官が女性を放すように命令するものの、言うことを聞かないシェパードは彼女に2分間も食らいついて離さなかった。
女性は右腕と左胸を噛まれ、近くの病院へ救急搬送された。医師によると、傷の幅が広すぎて深すぎるため縫うことができなかったそうだ。
驚くことに、なんと彼女の息子は警察犬を扱う部署にいるそうだ。息子はなぜ警察犬が言うことを聞かなかったのか理解できないそうだ。「警察犬を訓練する際、気をつけることは一つの命令に対して一つの言葉だけを与えるということ。そうすれば犬は命令をきちんと聞くはず。犬もしくはトレーナーの訓練が未熟だったのかもしれない。」と語っている。
また、公共の場に行く場合、警察犬は鎖で繋いでおくか、10メートル以上離れないよう訓練されているそうだ。しかも、犯人を追跡するときにはトレーナーが横で走るべきだという。
何をしたのかはわからないが、逃走した犯人はまだ捕まっていない。
ちなみに警察官は血まみれの女性を助手席に乗せず、犬が乗っていた後ろの荷台に乗るよう言ったのだ。なぜ荷台かというと「座席に血がつくのがイヤだったから」。一悶着の後、女性は荷台に乗せられた。まったくあきれた警察官たちだ。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)