アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】用を足すのに命がけ? 問題山積み。家にトイレのない人々の苦悩。(南ア)

南アフリカのケープタウンにあるタウンシップ「カエリチャ(Khayelitsha)」では、近所の家にトイレを借りると1回10ランド(日本円約120円)払わされるところがある。かといって、外で用を足すと強盗に遭う可能性もあるそうだ。衛生面に関して問題が山積みのこの町を政府は救えるのだろうか?

カエリチャの住居形式は、もちろんブロックでしっかり建てられた家もあるが、ほとんどがトタンや木でできた崩れそうな家が多い。そしてトイレは共同というのが多く、清潔とは程遠い環境である。

トタンの家に住むサイトBの住人は、近所のブロックで出来た家にトイレを借りに行く際、50セントから多いと10ランドも払わなければならない。またカエリチャの別のエリア(サイトC)では国道から丸見えの草むらで用を足している。外で用を足す場合も危険が付きまとう。ある男性はトイレ中にナイフで顔を刺され、携帯電話を盗まれた。

住民たちはこのような状況を「いいことではないが、仕方がない」とあきらめムードだ。また、子供が外で用を足す際に、そのまま国道へ走っていくこともあり非常に危険だと不安を抱いている。

ちなみに、サイトCには12の水洗トイレが設置されている。そのうちの6つは個人が使用していて鍵がかかっており、残りは壊れているか、壊されているか、排泄物で溢れているかのどれかという状況。鍵をかけておくとトイレをきれいにしておけるし、子供がトイレで遊ばないのでいいそうだ。

ケープタウン市はこのエリアのためのトイレを保持してはいるが、設置する場所がないと市の議員は述べている。

トイレの使用にお金を払っているサイトBだが、使用量は水と電気代だそうだ。またサイトBの住人は、共同の簡易トイレを求めておらず、政府が公約した『黒人700万人の住宅建設』のスピードアップを強く希望している。
政府の調べによると、ケープタウンで基本的な下水設備を持っていないのはおよそ50万人、アフリカ大陸など海外からケープタウンに来て下水設備の整った場所に住んでいる外国人は毎年およそ5万人いる。また、政府が公約した『黒人700万人の住宅建設』の待機世帯は毎年1万8千件ずつ増えているそうで、その家を待っている人々の不満は毎年高まっていることになる。

日本では当たり前のようにあるトイレだが、改めてそのありがたみを感じる。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)