7月28日、中国江蘇省南京市で発生した工場のガス爆発事故。南京市当局は29日の記者会見で死者は13人と発表した。しかし、その死者数に疑問の声が後を絶たない。上海メディアは、「遺体がどれだけあったか分からない。少なくとも100人は運び出された」という目撃者の証言を伝えている。
今回の事故は、南京市にあるプラスチック工場跡地で、整地作業中に誤ってガスパイプを破損、ちょうど付近に停めてあった車がエンジンをかけたために引火し、火が周辺のガスパイプに移ったために起きた大爆発だった。
巨大な威力の爆発で多くの民衆が負傷したにも関わらず、当局は事故を極力小さく見せようとしており、メディアの取材も拒否している。江蘇テレビ局の記者がライブで報道した際には、「誰が許可した?!」と報道を断ち切られる様子が放送された。
南京市当局は事故による死亡者は13人、120人が病院で手当てを受けており、そのうち14人が重症と発表している。しかし、『中国青年報』によれば、病院では既に500人近い負傷者が見られることを報じている。また、市長から「負傷者を3日は死なせるな」と令を受けたと暴露する医師もいる。
死亡が3日後以降なら、事故死ではなく、事故による負傷で死亡したことになるからだという。また、各メディアに死者数を10人以下にコントロールするよう“チップ“が配られた、と証言する記者もおり、当局が死傷者数の報道統制を行っていることは間違いないとみられる。
このほか、中国放送ネットによれば、南京市内の各病院の救急室はすでに満員で、輸血用の血液も足りなくなっているという。そのため、臨時に設けられた献血所で市民に献血を呼びかけている。これらのことからネット上では、死傷者数は発表された数をはるかに上回っているのではないかと憶測されている。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)