中国広東深セン市で、助産師への謝礼が少なすぎたためか、産婦が分娩後肛門を縫合されてしまう事件が起きた。病院側はこれに対し、助産師は“親切心”から産婦に痔の手術を無料で行ったとコメントしている。
7月23日午後、中国深セン市の鳳凰病院でひとりの産婦が男の子を出産した。その夜、産婦が肛門の痛みを訴えたため、夫が見てみると、なんと肛門はこぶしほどに腫れており、周囲は黒い糸で乱雑に縫われていたという。
「助産師に渡した謝礼が少なかったから、その腹いせに妻の肛門を縫い合わせたのではないかと疑っている」という夫の話によれば、出産前、助産師は病室を訪れ「後で私が分娩介助を行います。赤ちゃんがこの世に産まれて初めて見るのが私です。準備しておいてください。」と話したという。
初めは“準備”の意味が分からなかった夫妻。5分後、助産師がまた「準備できましたか? いったいいくら持ってきたんですか?」と聞いてきたことで、夫妻はようやく助産師が謝礼を要求していることを悟ったという。
夫によれば、助産師は計4回、「準備はできたのか」と尋ねたという。しかし、当時手元には200元(約2500円)しかなかったため、とりあえず医師と助産師に各100元ずつ渡してから、後日補うことにした。ところが、助産師はそのお金を受け取ってから、「その手には乗らない。そういう家族をたくさん見てきた。」と吐き捨てるように言ったという。医師は“規則に反するから”と謝礼を受け取らなかった。
夫を更に憤慨させたのは、助産師が自分のいない隙に、痛がる妻を顧みず、肛門を縫合した糸の切除を強行し、証拠隠滅を図ったことだ。病院の院長は事件について、産婦には痔があり、出血も見られたため、助産師は厚意で結さつ療法による手術を行ったとコメントしている。
夫は警察に、“取材を受けない”という声明書へのサインを病院側が要求してきたことを訴えている。その際、病院側は「今我々を助けてくれたなら必ず借りは返す。」と、お金を積んだという。夫は「お金で解決できないこともある」と、病院側の要求を拒否した。
長い人生の中で、忘れられない幸せな一日となるはずだった出産日。腹黒い助産師に出会ってしまったせいで、産婦は重度のうつ病を患ってしまった。反応が鈍くなり、医者を見れば怖がり、電話で出前を頼むことさえできないという。
問題の助産師は“事実無根”と涙ながらに訴えている。事実でないなら、病院が工作する必要もないはずだが・・・。更なる捜査が必要だろう。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)