「富士康(フォックスコン)」「犀利哥(イケメンホームレス)」「天上人間」「膠囊公寓(カプセルアパート)」、これらの言葉に聞き覚えがある人も多いことだろう。これは今年上半期の中国の流行語の一部である。台湾の鴻海グループの中国子会社である富士康は、今年に入ってからこれまでで13件もの飛び降り行為があり、各界の注目を集めた。“中国一セクシーなホームレス”と一躍有名人となった男前ホームレス「犀利哥」は、その数奇な人生の映画化が決定。来年2月が公開予定となっている。
中国国家語言資源監測・研究センターの平面メディアセンターや、北京語言大学、中国新聞技術工作者連合会などが中心となって行った2010年春夏中国新聞流行語。中国の主要な新聞社16社の上半期の全ての記事から、出現回数や流通度などを分析し、12のテーマ別に各10個の流行語が発表された。
社会問題類では、「天上人間」「富士康」などが選ばれた。天上人間は北京の有名な高級クラブだが、ホステスがチップをもらい客を接待したなどとして娯楽施設管理条例違反で半年間の営業停止となった。これまで強力なコネのために捜査の手が及びにくいとされていた高級クラブの異例の摘発だった。
“高い家賃”も何度となく取り上げられた言葉であったが、「膠囊公寓」の言葉から北京の高い家賃がいかに深刻かが分かる。カプセルアパートは日本のカプセルホテルから発想を得て作られた、縦240センチ、横72センチという極狭なアパート。一ヶ月50人民元(約640円)という格安の家賃で新社会人の住居問題に新たな選択肢として登場した。
この他、今年は特に天災に多く見舞われた中国。地震や浸水などに関する流行語が目立った。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)