男子高校生が”童貞を捨てる”ため、援助交際で性経験を得ようとしたが、詐欺グループの罠に引っかかり、110万元(約300万円)を騙し取られるという事件が起こった。
警察の調べでは、被害にあったのは、シングルマザーの家庭で育った17歳の少年で、教員を務める母親の厳格な教育のため、これまで男女交際の経験はなく、異性への強い好奇心から、このような事態に陥ってしまったという。
調べに対し少年は、Skypeで知り合った女性と会う約束をしたが、約束の場所に女性は現れず、電話で「警察のおとり捜査を避けるため、身元を証明してからでないと会えない」などと話し、少年にキャッシュカードを用意するよう指示したという。
少年は女の指示に対し、微塵の疑いを抱くこともなく、一度家に戻ると母親のキャッシュカードを持ち出した。ATMでは、指示されるがまま2万9000元(約8万1000円)を振り込んだのだが、少年はその時点でも自分がだまされていることに気づくことはなかった。
更に詐欺グループは、少年の操作でATMのシステムが故障するように、仕向けた。少年は、身元証明ができず、女性に会えなかったとがっかりして帰宅。
しかし翌日、やくざの親分を名乗る男から「システムを故障させた。300万弁償しろ。」という電話があり、母親の名前や個人情報も並べて、「できなければ母親に請求する。援助交際をしようとしたこともばらす。」などと脅されたという。
男の話を鵜呑みにし、恐ろしくなった少年に、今度は「金融交易センター」を名乗る男から電話がかかってきた。
「キャッシュカードを送って、こちらに操作させてくれれば、システムを回復させ、問題を解決する」というのだ。
事が公けになるのを恐れた少年は、よく考えもせずに、キャッシュカードとパスワードなどの資料を送ってしまったという。
5月始め、母親が給料の入金の確認に行くと、あるはずの預金がなくなっていたため、驚いて通報。
警察の調べで、息子が振り込みをしたことが分かり、問い詰めると、詐欺グループに騙されたことが分かった。
この間、10日。既に57回もお金が引き出されており、損害は110万元(約300万円)になっていた。
どこかで冷静になれば分かりそうなものだが、純粋すぎたのか、後ろめたさから冷静になれなかったのか。
17歳。性への好奇心がムクムクと育つ時期ではある。
雑誌には恋愛特集や、初体験の平均年齢などがあって、高校生にもなれば彼氏彼女がいるのが当たり前。いなければ、遅れているような気がして無理に恋愛をしたり、セックスをしたり、という若者もいることだろう。
しかし、不特定多数とのセックス、コンドームの不使用など、知識不足が原因で、現在若者たちを中心に性感染症や望まない妊娠などが増えているという。
『中年童貞~少子化時代の恋愛格差~』の著者、全国童貞連合の会長の渡部伸氏はホームページにある童貞ステップアップの中でこう語る。
「好きでもない相手と安易に童貞を捨てちゃいかんぞ!自分を、そして何より相手のことを大切にしろ。」
興味本位で性経験を持とうとした若者。その結果がこれだ。
現代の若者たちに言いたい。「急ぐ必要はない。」
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)