日本でも多くの人が日々飲んでいるサプリメント。そんなサプリに関する興味深い研究結果が発表された。毎日、マルチビタミンのサプリメントを服用する女性は、服用しない女性と比べて乳癌になる確率が約20%近くも高くなることが、大規模に行われた研究で明らかになったのだ。
現在、このショッキングなニュースは、オーストラリアの25億ドル健康産業を揺るがしている。同時に消費者に対してパニックを起こさないよう注意を促している。
10年間に渡り35,000人以上の女性に対して行われた調査の結果、研究者たちは、毎日規則的にマルチビタミンのサプリメントを服用していた女性が、服用していなかった女性と比べて、19%も腫瘍を生じさせるリスクを増加させてしまうことを発見した。
研究者たちによると、多くの女性が、マルチビタミンが癌のような慢性病を防ぐという確信のもとで服用を続けていることから、出来る限り多くの女性を調べる必要があったという。
生物学上信頼できる説明によると、ビタミンとミネラルのサプリメントを摂取することが、乳癌発生の強い危険因子である、乳房の組織の密度を著しく増加させるということだ。
しばしばマルチビタミンの構成要素である葉酸もまた腫瘍の成長を加速させる恐れがあるかもしれないという。スウェーデンの Karolinska Instituteによって研究が行われ、臨床栄養学のアメリカンジャーナルで公表されたこの研究は、オーストラリアの専門家たちから大変興味深く迎えられた。
マルチビタミンのサプリメントを服用した女性は、服用しなかった人より高い乳房の組織密度を持っていた。
「この研究結果は、マルチビタミンの使用は乳癌のリスクを増やす恐れがあるかもしれないことを示唆している。」研究所の第一人者Susanna Larrsonは語った。
マルチビタミンを日常的に摂っていた人にとってかなりショッキングなニュースだろう。記者もその一人だ。
(TechinsightJapan編集部 Akiko Towner)