先日もこちらでお伝えした台湾プロ野球界を揺るがすスター選手による八百長疑惑。とうとう疑惑は現実のものになってしまったようだ。現地時間の30日、兄弟エレファンツのオーナー洪瑞河氏が、八百長に関わったとして、4名の選手を解雇することを明らかにした。
解雇されたのは王勁力、吳保賢、朱鴻森、李濠任の4名。取り調べに対し、八百長への関与を認めた。この知らせを受け 洪瑞河氏は、すぐに4名の解雇を発表した。
また、曹錦輝選手についても、 当初事件との関わりを否定していたが、八百長を仕切っていた人物、蔡政宜と食事をしたことや、クラブで数度に渡り接待を受けたことが明らかになった。
更に、捜査当局は、曹選手が以前アメリカにいたことから、海外の口座にも捜査の範囲を広げているもようだ。
これを受け球団側は、「曹選手の問題は大きく、楽観できない」として、今年の契約が終われば、来年の更新はしない考えを示している。
また、兄弟エレファンツの中込伸監督が今回橋渡し役となった元自チーム選手の莊宏亮に会っていた事実も明らかになった。中込監督は八百長との関与を否定しているが、選手たちの八百長を見抜けなかった責任として、球団側は監督に辞職を要求している。
調べれば調べるほどに、大きくなっていく八百長疑惑の波。もはや疑惑とも言えないだろう。球界全てに及んだ八百長の波は、信じていた最後の砦さえも飲み込んでしまった。
しかし、それでもなお兄弟エレファンツの存続を望むファンは多い。チームの解散となれば、プロ野球界だけでなく、関連企業への影響も免れない。
洪氏がどのような決断を下すのか。注目の集まるところである。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)