今月5日、タイ中部のフアヒンにて発生した列車脱線事故。7人が死亡、80人以上が負傷した大惨事となったが、その事故後に行方が分からなくなっていた運転手が9日、フアヒンの警察署に出頭した。運転手は、事故について謝罪するとともに、事故を起こしたときは意識がもうろうとしていたと話しているという。
事故にあったのは、タイ南部トラン発、バンコク行きのタイ国鉄の列車である。タイ中央部プラチュアップキーリーカン県フワヒン郡カオタオにて、電車が脱線・横転し、乗客7人が死亡、88人が負傷したのだ。
事故後の調査によって、1)列車が、事故現場のひとつ手前の駅を停車することなく素通りし、事故現場付近では制限速度を大きくオーバーしていたこと、2)事故後に列車の運転手が行方不明になっていること、が明らかになった。そのため運転手が居眠り運転をしていたことによって事故が起こったのではないかという見方が強かった。
そうしたなか、列車を運転していた男性(49)がフアヒン警察署に出頭したのである。
運転手は、事故について謝罪するとともに、事故を起こしたときは体調不良で薬を服用していたため意識がもうろうとしていたと話しているという。
また、事故後には現場で最後まで負傷者を救助し、そのあとに自身も病院にて治療を受けたが、運転手であることは告げずに、そのまま退院してバンコクにて身を隠していたという。
タイにおいては、列車やバスなどが事故を起こした際に、その運転手が逃走するというケースはよく見受けられる。日本ではちょっと考えにくいことであるが、事故を起こした後の逃走というのは、タイではそれほど珍しいことではないのである。
(TechinsightJapan編集部 若曽根了太)