アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】墓場までも。窃盗犯の領域拡大。(南ア)

南アフリカケープタウンで一番大きい墓地。そこでは名前が刻まれた墓碑や写真フレーム、十字架までもが盗まれてしまっている。

100ヘクタールという広大な敷地では、数えられないほど多くの墓碑がダメージを受けていた。墓地を訪れた人がまず目にするのは、ぼうぼうに茂った雑草の中に立ち並ぶぼろぼろに砕けた墓石。真鍮でできた名前プレートはなく、コンクリートの壁は砕かれ、墓地に設置されている水道の蛇口はもちろん盗まれている。
知り合いのお墓があり、過去4年間、月2回はこの墓地を訪れているというウィリアム夫妻は、以前よりも状況は悪化しているという。愛する人の魂を慰めに墓地へ行っているのに、そこで金品を奪われるという人も多々いるそうだ。
墓地近郊に住む人によると、この辺に住む若者が金属類を盗んでいると指摘。彼らはその金属類を売ったお金でドラッグを購入しているそうだ。近隣の人々は、以前から起こっているこの治安の悪化に対して墓地のセキュリティを強化してほしいと望んでいる。一方墓地管理責任者によると、2週間前にケープタウンから「コストがかかりすぎる」とのことで24時間管理セキュリティは却下されたそうだ。窃盗や公共物破壊のような犯罪に比べると、墓地での窃盗は監視するほどの価値はないというのが理由。どちらかというと、ケープタウンとしては監視する人を墓地につけるというよりも、車で定期巡回することを考慮している。

ありとあらゆる貴金属がお金に交換できるこの国では、道路にカーブミラーやガードレールがない。墓地での窃盗はある意味手頃にお金を得るための手っ取り早い手段なのかもしれない。亡くなった人を敬うよりも現在の生活のほうが大事なのだろう。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)