モントリオールのマクギル大学で鳥類の進化論を研究してきたハンズ ラーソンによれば、鶏と恐竜は遺伝子的に多くの共通点がある。鶏の胚が成長している過程で特定の遺伝子を組み換えることによって、恐竜の生体構造を生殖できるというのだ。

鳥類の進化を過去１０年研究してきたラーソンは古生物学者であり、映画ジュラシックパークを製作中にテクニカルアドバイザーとして参加したジャック ホーナーと進化論について議論している時に、今回のアイディアを思いついたという。ホーナー自身も恐竜の生殖を研究する一人であり、“恐竜の作り方”という本を執筆している。

ラーソンの研究チームは過去に恐竜やクロコダイルなど先史時代の動物の骨を発見している。ラーソンは他にも新種の肉食恐竜の遺骸をアルゼンチンで発見している。

鶏の胚から恐竜を作りだすというプロジェクトを実行するには大掛かりな準備が必要となり、未だラーソンのアイディアは夢のままの状態である。倫理上の理由もあり、すぐには研究を開始することは難しい。しかしラーソンは「もし鳥類に恐竜の解剖学的成長の可能性を実証できたら、鳥類が恐竜の直系の子孫であることを証明できる。」と希望を捨ててはいない。

（TechinsightJapan編集部　村居唯衣）