アラバマ州にある人口約3200人の小さな町マリオンで二つの家族間で抗争が始まった。拳銃、バット、鉄パイプなどの武器を持った150人以上の人間が警察署で争い始め、マリオン警察が近隣の部署やアラバマ州警察にまで緊急の援護を要求するほど騒ぎは大きくなっていった。
日曜日近所の公園でバスケットボールの試合を終えたウォルトンが知人と通りを歩いていると、突然三人の男に襲われた。顔面に3つの涙の入れ墨のある男が「もう2つ入れ墨が増える。一つはお前ので、もう一つはお前の友達のだ。入れ墨の意味をすぐに教えてやる。」と青年らを脅した。この涙の入れ墨は特定のギャング集団の間では殺害した人数を示すとも言われている。
マリオン警察に通りで口論が起きていると通報があった。口論はそれから押し合いなどの暴力行為にまでエスカレートしていき、何者かが駐車してあった車の後部窓ガラスを拳銃で撃った。車には三歳の子供が乗っていたが、ケガはなかった。警察が到着した時には現場には誰もおらず、警官は口論に関与していた人間を逮捕できなかった。
月曜日の朝、警察にウォルトンが通うフランシス マリオン高校から構内で生徒と部外者との間で争いが起っていると通報があった。更にウォルトンとその家族への脅迫があったのでウォルトン一家を学校に来させないようにしてほしいと警察に要求してきた。警察が高校に到着した頃にはほぼ争いは収まっていたが、構内を捜査して2丁の拳銃を押収した。
その後の抗争のステージは警察署に進んでゆく。日曜日にウォルトンと共に襲われたルイスが母親と警察署で調書の手配をしていると、敵対する家族の一員と鉢合わせした。お互い顔を見合わせた途端に口論が始まり、それから警察署の外にいた他の家族メンバーらも含めた150人以上の暴動に発展した。
署長のトニー バフォードは何者かに鉄パイプで頭を殴られ、その場にいたマリオン市長も暴行を受けた。バフォードはすぐに近隣の部署とアラバマ州警察に援護を要請し、10部隊以上の警官らがマリオンに集結した。暴動後2人が病院に運ばれたが、命に別状はない。これまで6人を傷害などの罪で逮捕しているが、今回の事件に150人以上も関与しているため、捜査は難航している。問題の二家族は現在は静かではあるが、マリオンの住人らは再び抗争の火花が立つのではないかと不安を見せている。
(TechinsightJapan編集部 村居唯衣)