20世紀を代表するアーティスト、アンディ ウォーホールは何でも段ボール箱に入れ、箱が満杯になるとニュージャージー州の資材倉庫に送っていた。溜まりに溜まった段ボール箱はなんと610個。アンディウォーホール財団に雇われた6人の公文書保管人は何千ドルの価値のあるものからゴミ同然のものまで様々なウォーホールの遺品の仕分け作業に日々追われている。
ウォーホールは物を捨てない人だった。1987年に死去した時、ニューヨークの自宅にはアンティーク品が入ったビニール袋や本、服などが詰められた段ボール箱が散乱していた。まともに使える部屋といえばキッチンとバスルームくらいだったという。乱雑な部屋から100万ドルの価値がある宝石箱も発見されている。
段ボール箱に詰められたアイテムはタクシーの領収書、ファンレター、写真など様々で、1万7千ドルの現金も発見されている。他にも古代エジプト人のミイラ化した足、有名ロックバンド ラモーンズのリーダー ジョーイ ラモーンの直筆サイン入りレコードなど貴重な品もあれば、ジョンFケネディー元大統領の娘、キャロラインが結婚した時(1986年)のウェディングケーキやウォーホールの従兄弟の一人が送ったパウンドケーキなどの食品まである。もちろん発見されたパリパリに乾燥したケーキはゴミとして処理されている。パウンドケーキを発見したリズ スコットは「彼はとにかく何でも箱に放り投げていたみたい。」とウォーホールの面白い癖を笑っていた。
それぞれの箱には400~1200点のアイテムが入っており、6人の保管人が6年かけてやっと177箱の仕分けを完了した。9月からは仕分け作業についてのブログを開始し、発見されたウォーホールらしいユニークな品を発表していく予定だ。
(TechinsightJapan編集部 村居唯衣)