コロラドスプリングシティー警察が財政難を切り抜けるために市議会に提案した案は“押収した銃器を銃砲店に売る”こと。犯罪現場で押収された、または必要ないからと警察に市民が持ち込んだ銃器は、通常は焼却処分になる。しかし警察は提出した案が承認されるのを見込んで、銃器の破棄を止めている。
警察では1年間の売り上げが1万ドル前後になるだろうと予測している。50万ドルの赤字予算に悩む警察にとっては少しでも財政難から逃れるための苦肉の策でもある。エルパソ郡の他の部署では回収した銃器の販売が2006年から行われている。スポークスウーマンのローリー セヴァインは犯罪に使用された銃器は証拠品として保管される為、警察が売る銃器には含まれていないと話している。
今年2月に銃器売却の案が議会に提出されたが却下されており、今月の議会での話し合いは二度目となる。前回の議会で反対派だったジャン マーティンは「銃器を街中に戻してゆくというアイディア自体が不道徳だ。」と反対し、小額の利益を得ることの方が、警察が売却した銃器が犯罪に使われる可能性よりも重要視されている現状を指摘した。
銃器売却の案に対し、住民からは賛否両論の声がある。過去に陸軍での退役経験のあるジョー ネイソンは「警察や市が利益を得られるなら、良い事だろう。どうせ人は銃器を買うことができるのだから、警察が銃器を売却することは犯罪には影響しないと思う。」と賛成している。一方で小学校で教師を務めるスーザン ジョーンズは「絶対に反対です。すでに沢山の銃が社会に存在するのに、更に銃器を増やしたくない。」と銃社会の現実に反対している。
(TechinsightJapan編集部 村居唯衣)