先日、チェンマイ動物園のパンダの赤ちゃんにリンピンという名前がつけられた。そのことを記念して、13日にチェンマイ動物園において、ソーポーン園長が“マノーラー”と呼ばれるタイの伝統舞踊劇を演じた。
ソーポーン氏によると、マノーラーの舞を演じるのは、パンダの赤ちゃんが無事産まれ、名前もリンピンと決定されたことを神に感謝し、その意を示すためであるという。
実は、ソーポーン氏の神にささげるマノーラーの舞は、今回が初めてではない。今回は三度目の舞にあたる。
ソーポーン氏はかつて、シーラチャーにあるカオキアオ動物園(バンコク近郊)に勤務していた。そのとき氏は、もっと多くの人々が動物園に訪れるよう園内の施設を充実すべく、政府に援助金を申し出た。そして幸いにもその要求は許可されて多くの援助金を得、それを動物園の発展に役立てることができたのである。
援助金の支給を喜んでいたある日、氏は、マノーラーの舞の師匠の夢をみる。夢の中で氏は、師匠に「あなたの希望が無事叶ったのだから、舞をささげることで、神に感謝の意を表明しなさい」と諭されたのだ。
その夢を受けてソーポーン氏はさっそく、マノーラーの舞を演じた。これが初回の舞である。
二度目の舞は、チェンマイ動物園の園長になってからである。
ソーポーン氏は、チェンマイ動物園への入場者の増加を期待し、園内に水族館を設立することを計画した。そしてその計画は順調に進み、水族館は去年無事オープンされた。これにより動物園への入場者も大幅に増加したのである。
ここにおいて、氏は二度目のマノーラーの舞を演じたのである。
そして、今回、パンダの赤ちゃんが産まれ、無事名前まで決定したことを受けて三度目の舞が演じられたのである。マスコミを招いての舞は、今回が初めてだという。
タイでは、神に願懸けをしてそれが成就した際には、必ず神にそのお礼をする慣習がある。大概は神にお供え物をささげ、読経してお礼をすることが多い。その点からすると、ソーポーン氏による舞を通じての神への感謝の意の表明は、なかなか珍しいものである。
(TechinsightJapan編集部 若曽根了太)