タイでは、入安居(カオパンサー)を7月8日に迎えた。その前日、各地で入安居のための祭りが開催され、大いに盛り上がった。
すでに記者はバンコクのとある寺における入安居前日の儀礼の模様をお伝えしたが、今回は各地で行われた祭りのうち、特に変わったものを紹介したい。
ちなみに入安居とは、乾季の期間に遊行へ出ていた僧侶たちが、雨季を迎えるにあたって寺に戻り、修行に専念する期間=雨安居の開始の日のことをいい、仏教国タイにとって、とても重要な日となっている。
タイ東北部スリン県では、僧侶が象に乗って町中を練り歩き、人々から寄進を受けるという儀礼が実施された。
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スリン県は、象の町として有名である。毎年11月には象祭りが開催され、各地から集結した数百頭の象が町中にあふれる。
そうした町の象徴である象が、入安居の儀礼においても使われるのだ。僧侶を乗せた象が行列をなして町中を練り歩き、寄進を受けるというこうした儀礼は、この町に長く続く伝統的なものであり、しかも世界中でもここでしか見られないという。
また同じくタイ東北部のウボンラーチャタニー県やナコンラーチャシーマー県では、盛大なロウソク祭りが開催された。これは写真のように、ロウソクで作られた山車が町中を行列していくものだ。
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特にウボンラーチャタニー県のロウソク祭りは有名で、毎年大変な人出になる。
お祭りでは、ロウソクの山車の行列だけでなく、伝統的な踊りやイベントが催され、タイ地元民だけでなく多くの外国人も参加し、今年も大変な盛況振りだったという。
入安居前日の祭りは、どの地域も大いに盛り上がる。しかし、入安居当日とその前日は、酒の販売が禁止されている。その点については、少し気分が盛り下がると感じる人はきっと少なくないはずだ。
(TechinsightJapan編集部 若曽根了太)