アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】「ありがとう大統領。このお金が看板に使えます」皮肉広告でカンヌグランプリ受賞 (南ア)

今年のカンヌ国際広告祭(Cannes Lions International Advertising Festival)で南アフリカの広告会社がアウトドア広告部門とラジオ広告部門でグランプリを取る快挙を成し遂げた。

先月フランスのカンヌで行なわれたカンヌでは94カ国から1万人以上もの会社代表者が参加、2万8千もの広告が対象となった。

アウトドア広告部門で4498もの候補を凌ぎ、見事グランプリに輝いたのはBWA HUNT LASCARISという南アフリカ広告会社。ロンドンで発行されジンバブエで販売されている隔週新聞の広告が選ばれた。この広告は、価値のないジンバブエのお札を看板に貼り付けたもの。そこには「ありがとうムガベ大統領。このお金が看板に使えます。」「紙に印刷するよりもコストが安い。」「戦え!国を崩壊した政府よ!」などという挑発的な言葉が書いてある。

ジンバブエドルは国の経済を崩壊させた象徴となっている。ジンバブエドルがいくらあってもパンすら買うことが出来ない。広告を出すことすら出来ないジンバブエドルが広告になっているという皮肉でジンバブエの状態を上手く表していると評価された。

一方、ラジオ部門で1153のエントリーからグランプリに輝いたのは、「Net#work BBDOヨハネスブルグ」という広告会社。ダンサー、犬、フェレットをつかった『バージンアトランティック航空』の広告だ。「飛行機錯乱(Plain Insanity)」といわれるこの広告は、南アフリカからロンドンまでのファーストクラスのフライトを宣伝したもの。一人の男性が機内で一風変わった乗客たちと出会っている様子を淡々とナレーションしているもの。

「新しいメディアが続々と出てくる中でラジオ広告が広く知れ渡ることはなかなか難しい。そんな中でリスナーが楽しみ、慕い、支持するラジオ広告を作ることができ、世界的な賞を受賞できたことは光栄だ。」と、会社全体で喜びを味わっている。

グランプリの内容を知りたい方は、カンヌウェブサイトへ。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)