ハリウッドの大物俳優となれば仕事は探す方ではなく、選ぶ方だ。他の仕事を優先したいから、またオファーを受けた映画が自分のイメージや演技に合わなければ“NOサイン”を出す事もある。しかし断ったはずの映画が後に大ヒットし、自分の決断に後悔していると告白する俳優もいる。
最近アクション俳優の名が定着したウィル スミスは“マトリックス”(1999)のネオ役に選ばれたが拒否し、それからオファーがキアヌ リーブスに流れていった。また“メン イン ブラック”(1997)のオファーも一度断ったが、妻であり女優であるジェダ ピンケット スミスに説得され、改めてオファーを受けた。今頃奥さんに感謝しているにちがいない。
アカデミー女優であり“アイアンマン”(2009)でヒロイン役も演じたグイネス パルトローは映画の役柄選びには慎重だったようだ。過去に“ブギーナイツ”(1997)でヘザー グラハムが演じたローラーガール役、ハリウッド版“リング”(2002)でナオミ ワッツが演じたレイチェル役のオファーを断っている。
元祖007、インディアナ ジョーンズの父でおなじみのショーン コネリーは “マトリックス”(1999)のモーフィアス役を断るが、映画が世界的大ヒットして、断ったことを後悔した。その後“ロード オブ ザ リング”(2001)のガンダルフ役をオファーされたが断った。するとまたまた映画は大ヒットし、また後悔する結果になった。
飲酒運転などでタブロイドを騒がせているメル ギブソンは“ターミネーター”(1984)で主演の話を断り、それからアーノルド シュワルツネッガーに決定した。また人気シリーズ“リーサルウェポン”の撮影に専念する為に“バットマン”(1989)の出演も断っている。
時に冷血に、時にクールに、男の中の男を演じる俳優として特に男性からの支持が熱いアル パチーノはジョージ ルーカスからのオファーを受けていた。スターウォーズのハン ソロ役として出演を依頼されたが断り、それから候補にハリソンフォードの名が上がった。役を演じきったフォードがこれを機に一躍大物俳優に仲間入りした。
今では良きパパなブラッド ピットは“アポロ13”(1995)の出演依頼を蹴って、“セブン”(1995)に出演を決めた。しかしその年のアカデミー賞で“アポロ13”は13のカテゴリーにノミネートされ、そのうち2つ受賞している。一方でピットが選んだ“セブン”はMTVムービーアワードの受賞のみにとどまった。
もし俳優達がオファーを受けて、それぞれの役を演じたとしても、全く別の作品のように映画そのものが変わるのではないだろうか。ネオ役:ウィル スミス、モーフィアス役:ショーン コネリーの“マトリクス”も一味違った面白さがあるかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 村居唯衣)