中国の旅行代理店が、別れてしまいそうな二人に向けた旅行企画を立ち上げたという。掲げたコピーは、「もしも二人が別れる運命にあるというなら、思い出は悲痛であるより、ロマンティックなほうがいい」。

とはいってもそこは別れてしまいそうな二人である。出会ったころの高揚は影を潜め、かといって互いのいたわりが深いわけでもない。そんな二人が最後の思い出づくりを目論んだところで、即刻白けたムードに陥って、双方早く帰りたいと念ずることになりはしないかと心配になる。

しかしそんな白けたムードや忍耐もまた一興ということだろうか？　実は当企画には、ほかにも二つのコースがあって、その名も「よくない雰囲気」（bad mood）と「許し」（indulgent）。どちらのツアーも、何かと変ったことを好む若いカップルに受けているというからわからないものだ。

旅行自体は非常にプライベート感にあふれたもので、二人のためのチャーターカーに、専属のガイドまでつくという。それもあってか5日間のこの企画には、既に多くの予約が入っているそうだ。旅は人を変えるともいう。日々のルーティンから離れるなかで、二人が別離を考えなおすきっかけにもなるのだろうか？
（TechinsightJapan編集部　田中箇）