場の空気が一変した。
抗議者は「ウィリアム、あなたに我が国での主権はない」と書かれたプラカードを掲げ、「国に帰れ!」「歓迎されていないんだ!」「あなたの祖母が我々から盗んだものを返してくれ!」と叫ぶなどした。
この時、王室を支持する群衆が、抗議の声をかき消すように「ウィラブユー、ウィリアム!」と支持の声が広がった。
ウィリアム皇太子はそのような状況にも動じることなく、前夜の「アースショット賞」授賞式に出席したモデルのハイディ・クルムやウィニー・ハーロウ、米俳優兼歌手のビリー・ポーターらと持続可能な漁業について学んだり、伝統的なフィッシュ・ブライ(魚のバーベキュー)のランチを楽しんだ。
しかし地元の漁師たちは、皇太子が「ABALOBI」のスタッフとだけ対面し、自分たちの仕事を視察しなかったことに不快感を示した。
地元の漁師ドウェイン・バウルスさんは、英メディア『Hello!』に対し、ウィリアム皇太子をはじめとする王族をこのように批判した。
「彼らはここを拠点としていないし、私たちの魚を買うこともない。晴れている時にしか来ないんだ。私たちは雨の日も嵐の日もここで漁をしている。」
そして「彼らは私たちを排除している。ウィリアムはここの魚を見に来てくれなかった。彼が来るなんて誰も教えてくれなかったよ。ABALOBIは私たちをサポートしていない。ここは私たちの港なのに」と主張し、次のように続けた。
「彼(ウィリアム)に腹を立てているわけじゃない。もっとここに来てほしいだけだ。このような“ヤラセ”じゃなくてね。」
また、小規模漁業会社「Rifiek Isaac」の副会長は、「ABALOBI」が地元の漁師代表ではないにもかかわらず皇太子と対面したことに怒りを示した。
「我々は皇太子に会いたかった。彼に怒っているのではありません。ABALOBIが私たちの港を使っていることに不満を感じているだけです。我々はここで漁をしているのです。」
画像は『The Prince and Princess of Wales Instagram「Witnessing the @earthshotprize in action」「National Sea Rescue Institute volunteers are on call 24/7,」「So great to see so many brilliant people coming together tonight」』より
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)