被害者に向けて「あなたたちを癒すことはできない。ただ元気に暮らし幸せになって欲しい。あなたたちに平和が訪れることを祈っている」と優しく言葉をかけた。
一方、スティーブンは法廷で4時間半の間、被害者と目を合わせたり、感情を表に出すことはなく、母親に「私は何が起きてもあなたを愛している」と言われた時だけ涙を流していた。また、父親は「息子はアルコール依存症だった」と告白し減刑を求めたが、弁護士は後にスティーブンが控訴を検討していることを明らかにした。
158年という異例の長さの懲役が下ったことに対し、ビクトリア・ケリー検察官(Victoria Kelley)は「私は彼には同情しない。というのも、彼の犠牲者が数十人以上いることを確信しているからだ」と強く主張した。
なお、スティーブンの犯行について1年以上にわたり取材を続けてきた米ニュースメディア『CBS News』は判決前、昨年1月に自宅に誘われたというアリーさん(Allie、34)の特集を組んでおり、その中でアリーさんは「スティーブンとはヒンジで知り合った。初デートは私の人生の中で最も恐ろしい日になった」と吐露し、次のように述べていた。
「医師で、アウトドア好きで、犬を飼っているという彼のプロフィールがとても気に入ったの。私はヘルスケア関連の仕事をしているし、犬を飼っていて、ハイキングが好きだから興奮したものよ。」
「それでその日はバーで彼と1杯飲み、『犬を外に出したいから』と言われてタウンハウスに行ったの。そしてドリンクを勧められてね。断るのは失礼だと思って4分の1ほど飲んだわ。すると急に気分が悪くなり、ろれつが回らなくなって体から力が抜けて動かなくなるのを感じたの。」
スティーブンはその後、アリーさんの写真を撮り始め、ヘッドロックをかけるなどして性的暴行を試みたものの、アリーさんは意識を完全に失う寸前にコートや財布、靴を置いたまま逃げ出した。そしてタクシーの中で吐き続けたそうで、友人に同じような経験をした女性たちが集まるFacebookグループを教えてもらい、警察に通報した。
ところがアリーさんは「自分の証言を信じてもらうことが非常に困難だった。この事件は今でもトラウマになっている。今回名乗り出た被害者は氷山の一角に過ぎないだろう」と明かしており、このニュースには次のようなコメントが寄せられた。
「彼が涙を流したのは、被害者のためではなく、自分の運命のため。そうでなかったら今でも同じことを続けていると思う。」
「控訴? 正気じゃないよ。」
「医学部に通い、心臓専門医になり、収入も良かったはず。こんなことをするなんてクレイジー。」
「36歳には見えないな。」
「モンスターだね。」
「被害者の気持ちを考えるとつらい。証言した女性の勇気を称えるよ。」
「出会い系アプリは避けるべきだし、女性も警戒する必要があると思う。」
「私も性暴力の被害者。こういった犯罪は殺人と同じくらい重い刑罰を与えるべきだ。」
画像は『CBS News 「Cardiologist Stephen Matthews sentenced to 158 years for drugging, sexually assaulting Colorado women he met on dating apps」』『Daily Express 「Doctor weeps in court as he’s branded ‘most prolific’ rapist and jailed for 158 years」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)