東ヨーロッパに位置する国ジョージアで、運命的な出会いを果たした2人の女性いる。容姿がそっくりだった2人は、SNSで知り合い友人になったが、のちに実の親の元から連れ去られ、誘拐された双子だと判明した。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。
2022年、ジョージア在住のエレヌ・デイセジさん(Elene Deisadze、19)がTikTokを見ていたところ、偶然にも自分にそっくりなアンナ・パンチュリゼさん(Anna Panchulidze、19)を見つけた。当時17歳だったエレヌさんはアンナさんに連絡を取り、意気投合して友人になった。
豪ニュースメディア『ABC』によると、エレヌさんとアンナさんは昨年8月に直接会ったそうだ。その時、自分たちが双子ではないかと感じた2人は、両親に自分たちの出生について問い詰めたところ、2人とも養子として育てられたことが分かった。
そして今年2月にDNA検査を受けた結果、2人は一卵性双生児であることが判明した。さらに2人が家族の歴史を掘り下げようとした時、ジョージアで数十年にわたって繰り返された人身売買の被害者だったことが明らかになった。
ジョージアを拠点とするジャーナリストで、自身も人身売買の被害者であるタムナ・ムセリゼさん(Tamuna Museridze)は、過去50年以上も組織ぐるみで違法な養子縁組が行われてきたと主張している。1950年から2006年の間に少なくとも12万人の乳児が、親から誘拐されて売られていたという証拠を掴んでいるという。
タムナさんによると、ジョージアで養子を迎える側は数か月分の収入にあたる金額を支払っているが、誘拐された子供の中には最高3万ドル(約485万円)で国外へ売られたケースもあるそうだ。これは医師や政府関係者を含む組織ぐるみの犯罪だという。タムナさん曰く、母親が出産した際に病院職員は「出生時に死亡した」と欺き、生まれたばかりの新生児をそのまま誘拐するそうだ。
エレヌさんとアンナさんは今年3月、フランスの報道機関『AFP通信』の取材に応じ、エレヌさんは「私たちは姉妹だと知らずに友人になりましたが、何か特別な絆で結ばれている感じがしました」と語り、アンナさんは「幸せな子供時代を過ごしましたが、今となっては過去の全てが欺かれたように感じています」と吐露していた。
一方で2人の養母は、彼女たちを養子に迎えたことについて、