野生動物の宝庫である南アフリカ。なかでも「ビッグファイブ」と呼ばれる大型野生動物のライオン、サイ、ゾウ、バッファロー、ヒョウとはサファリツアーなどで巡り合うことができる。一方で、当然ながら彼らが暮らすエリアと人間が暮らすエリアは全く別であり、これら大型野生動物が普通の住宅街に「住む」ことはない。しかしこのほど、民家の庭で飼われていた犬が、実はライオンだったという事件が発覚した。南アフリカのニュースメディア『IOL』などが伝えている。
最初に“異常事態”に気づいたのは、南アフリカ・ダーバンのウェストヴィル(Westville)というエリアでお手伝いさんとして働いている女性だった。この女性は当初、近所の民家の庭で2頭の犬が遊んでいると思っていた。しかし、その様子をよくよく見るとライオンの子供のようだと気づき、雇い主に報告、警備会社に連絡した。5月21日午後1時半ごろ、連絡を受けた警備会社「フィデリティ(Fidelity Services Group)」が庭に入ると、確かにそこで遊んでいたのは2頭のライオンの子供だった。警備会社はすぐに警察と動物保護団体「SPCA」に通報し、2頭はSPCA監視下のもと保護された。
2頭のライオンは生後6か月、メスは“ナラ”、オスは“シンバ”と名付けられていた。動物福祉団体「Four Paws」の責任者であるフィオナ・マイルズさん(Fiona Miles)は、「子供ライオンは大型肉食動物に成長するため、特別な食事、種に適した飼育、そして可能な限りの自然な環境が必要です」と述べた。また、同団体マネージャーのバーバラ・パトリックさん(Barbara Patrick)も、2頭にストレスをできるだけ与えないようにSPCAの保護先に移動させ、生のチキンを食べさせ、きれいな水をたくさん与えたとコメントし、