クレーンゲーム機の後ろに回り込んでイーサン君に呼びかけた。
イーサン君は母親の姿を見つけると、ハローキティのぬいぐるみの山をかき分けながらそちらに向かって移動した。次に、警察官から目を覆うように指示してほしいと言われ、ティモシーさんはイーサン君に手で目を覆うように伝えた。3歳のイーサン君には少し難しかったようだが、母親がガラス越しに手で目を覆う仕草を見せ、イーサン君はそれを真似して自身の目を覆った。
そして警察官が「準備はいいかい?」と言った次の瞬間、ガラス板が粉々に割れた。大きな音がしたためイーサン君は振り返って驚いた表情を見せたが、警察官が「おいで」と呼びかけるとイーサン君はすぐに近寄り、警察官に抱かれてクレーンゲーム機の中から救出された。
クレーンゲーム機の周囲では、通りがかりの人やイーサン君のきょうだいとみられる子がおり、歓声が上がった。最後に警察官が、「景品が欲しかったんだろう? どれが欲しいんだい?」と冗談交じりに話しているところで映像は終わっている。
ティモシーさんは「イーサンはクレーンゲーム機を見つけると、いつも取り出し口のカバーを開け、一瞬で中に潜り込んでしまうんです」と、イーサン君は“常習犯”であると話している。続けて、「イーサンにケガはなく、悲しそうな様子はありませんでした。非常に楽しい時間を過ごしていたようで、笑うしかなかったですね」と当時を振り返った。
イーサン君がクレーンゲーム機の中に入ってしまった当初、ティモシーさんはクレーンゲーム機の会社に助けを求めて電話したという。ティモシーさんは、「お金が詰まっているのか、いくらお金を入れたのかと尋ねられました。『詰まっているのは私の子どもだけですよ』と返事をしましたね」と明かしており、電話でコミカルなやり取りをしたそうだ。
イーサン君はクレーンゲーム機の中でご機嫌だったこともあり、事態をそれほど深刻に捉えている人は少なかったようだ。現場でイーサン君を救出した同警察のスチュアート・パワー巡査長(Stuart Power)は、「11年のキャリアの中で、初めてのケースでしたよ。もしイーサン君がクレーンゲーム機の中で取り乱していたら、救出は困難を極めたでしょう」と話している。
今回の件が多くのメディアに報じられると、「うちの子も同じことをした経験があるよ」「ガラスを壊す前に、ゲームをして男の子を救出できないか試したらよかったかも」「最後にぬいぐるみをもらえたかな?」などジョークを飛ばす声や笑いの声が寄せられた。
一方で、「男の子が無事で良かったけど、しっかり親が見ていないと」「ちゃんと修理代は払うべき」「男の子が中に入れるくらい長い間、目を離していたことになるよね」など、保護者の監督責任を問うコメントもあがっている。
同ショッピングセンターでは、今回のようなアクシデントは初めてのことだと言い、「同様のケースが再び起こらないように対策を講じるため、クレーンゲーム機の製造会社と協議中です」とコメントした。
後日、イーサン君は警察官から警察の制服を着たコアラのぬいぐるみをもらうことができたと言い、父親のティモシーさんに「もうやらないから安心して」と宣言したそうだ。
なお、テックインサイト編集部ではカパラバ・パーク・ショッピングセンターに、当時の来店客の様子やクレーンゲーム機の製造会社とどのような協議をしたのかなどをうかがうべく取材を申し入れている。
画像は『Queensland Police Service 2024年1月31日付Facebook「Ethan and the Police: 1」』『New York Post 2019年5月23日付「This boy really wanted a teddy bear — and he paid the price」(Caters News Agency)』『Amo Meu Pet 2023年5月10日付「Totalmente inesperado! Homem ganha ‘pelúcia viva’ em máquina de bichos de pelúcia」(Foto: Rider Soares)』『Titusville Fire and Emergency Services 2018年2月7日付Facebook「Often times we say to ourselves that you never know what the next shift will bring.」』『Liverpool Echo 2021年9月21日付「Mum ‘tears up’ after young boy comes up to her in restaurant」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)