両目の眼球がない状態で誕生し、生まれて間もなく脳の半分を切除する手術を受けた女児が今月22日、生後5か月を迎えた。医師に「話すことも歩くこともできない」と言われた女児は現在、喃語を話しハイハイをするのも時間の問題だそうで、母親が娘のこれまでの成長や今後の希望について語った。英ニュースメディア『WalesOnline』などが伝えた。
米ノースカロライナ州ソールズベリーに住むアリアナ・カーターさん(Allyanna Carter、19)は昨年11月、初めての子を妊娠していることを知った。妊娠は順調で、妊娠20週の超音波検査では医師に「胎児はとても健康ですよ」と太鼓判を捺されたそうだ。
ところが7月22日午後9時8分、女児ハーリンちゃん(Harlym)が誕生すると、医師はその子が普通と違うことに気付いた。そしてハーリンちゃんの身体をキレイにし、立ち会いをしていたアリアナさんの母カシーさん(Kacie、40)を部屋の隅に呼ぶと、こう告げた。
「ハーリンちゃんは両目の眼球がないまま産まれてきた可能性があります。ただ今は顔が腫れているだけかもしれないので、明日CT検査を行います。アリアナさんにはあなたから伝えてください。」
アリアナさんは母と医師が話をしている間、ハーリンちゃんを抱っこして親になった喜びを嚙みしめていたそうで、「彼らが何を話しているのかは全く分からなかった」と明かしている。
そして翌日、ハーリンちゃんはてんかん発作を起こし、CT検査では両目の眼球がないことが判明した。母から聞かされた「無眼球症」が現実となり、アリアナさんは「娘は一生、普通の子として見られることはないだろう」と胸が張り裂けそうになったという。
それでも検査を終えた娘が新生児集中治療室に連れて行かれ、医師から「実はハーリンちゃんには、他にも心配な症状が多数あります」と告げられた時、アリアナさんはこう誓ったそうだ。
「私はどんなことがあっても、娘を愛するわ!」
なおハーリンちゃんはこれまでに、糖代謝異常症の一種である「ガラクトース血症」と診断されている。これは生まれつき母乳やミルクに含まれる糖の代謝に必要な酵素の1つがない病気で、乳汁や乳製品の摂取を一生制限しなければならないという。またほかにも鼻の奥に先天性の隔壁があり、鼻の前後が遮断されてしまう「後鼻孔閉鎖症」を患っている。
さらに医師は、ハーリンちゃんがてんかん発作を繰り返し起こしたことから左脳が未発達であることを突き止め、8月には「大脳半球切除術」を行っている。これはてんかん発作を抑えるため、片方の脳半球を切除する手術だが、術後のハーリンちゃんの右半身は上手く機能しなくなったという。
こうして次々と降りかかる試練にアリアナさんは一時、