「フランスのスパイダーマン」として知られるフランス人男性が、イスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突の終結を願い「平和のメッセージを発信するため」として、命綱なしで高層ビルに登った。この男性はこれまでにも政治的なメッセージを登頂によってアピールしている。今回の登頂はフランスのニュースメディア『Le Point』など多くのメディアで報じられた。テックインサイト編集部では男性にインタビューを行い、彼が意図する「平和のメッセージ」の真意について話を聞いた。
イスラエルとハマスの間で現在繰り広げられている戦争は、パレスチナのイスラム主義勢力ハマスが10月7日にイスラエル国内で行った前例のない流血攻撃によって引き起こされた。報復としてイスラエルはハマスの「殲滅」を誓い、パレスチナ人が暮らすガザ地区を執拗に攻撃している。
今も双方の死者が増え続けているが、「フランスのスパイダーマン」として知られるフランス人フリークライマーのアラン・ロベールさん(Alain Robert、61)は11月6日、イスラエルとハマスの戦争が始まって31日目に「平和のメッセージ」を伝えるため、パリ西部のラ・デファンス地区にある電力会社トタルエナジーズ(TotalEnergies)の本社ビル「Tour Total Coupole」に登った。
蛍光イエローのジャケットに赤いズボン、クライミングシューズを履いたロベールさんは、190メートルの高さがあるビルの179メートルまで到達した。1994年以来、超高層ビルに挑んでいる彼だが、その装備は滑石粉や指先に貼った絆創膏、サージカルテープのみだ。
パリの西側に位置するオー=ド=セーヌ県によると、当日の12時30分頃に「Tour Total Coupole」を登り切ったロベールさんは、他人の生命を危険にさらした容疑で警察に逮捕されたという。しかしその後、検察官によって容疑は取り下げられ、ロベールさんは釈放された。
この登頂によって「平和のメッセージ」を送りたかったというロベールさんは、