この度ケニアで、実在する弁護士の名を盗み、弁護士として活動していた大学生の男が逮捕された。男は偽の弁護士とはいえ、関わったすべての裁判で勝訴を掴み取るという実績を残しており、多くの人が男を罰するべきではないと擁護の声をあげている。ケニアのニュースメディア『Kenyans.co.ke』などが報じた。
10月13日、ケニア弁護士会(Law Society of Kenya)のエリック・テウリ会長(Eric Theuri)は、弁護士の個人情報窃盗事件について、犯罪捜査局に依頼したことを明らかにした。容疑者はナイロビ在住の実在する弁護士の名前を使って活動し、依頼人から報酬を受け取っていた大学生で、本名ブライアン・ンウェンダ・ンジャギ(Brian Nwenda Njagi、以下「ンウェンダ」)だ。ンウェンダは、実在する弁護士ブライアン・ムウェンダ・ントゥウィガさん(Brian Mwenda Ntwiga、以下「ムウェンダさん」)の名前と弁護士の業務資格証明書を盗み出し、ムウェンダさんになりすまし弁護士活動を行っていた。
本物のムウェンダ弁護士は、2022年8月に弁護士資格を取得したが、司法長官室に勤務していたため、弁護士として働くのに必要な業務証明書を弁護士会ポータルサイトから申請することはなかった。ンウェンダは弁護士会ポータルサイトでムウェンダ弁護士のアカウントを盗み、プロフィール写真と勤務先を変更し、弁護士として働いていた。しかし、ムウェンダ弁護士が業務証明書を取得しようと今年9月に弁護士会のポータルにアクセスを試みたが、できないと訴えたことから今回の件が発覚、ンウェンダの逮捕に至った。
「ブライアン・ンウェンダ・ンジャギ(Brian Nwenda Njagi)」の名前が、本物の弁護士「ブライアン・ムウェンダ・ントゥウィガ(Brian Mwenda Ntwiga)」と非常に似ていたことから、ンウェンダはムウェンダさんのアカウントを狙ったと見られる。
個人情報を盗み出して偽弁護士として活動し、あまつさえ依頼人から報酬を得るなど、許されることではない。にもかかわらず世間からは、