ケニアの首都ナイロビで毎年開催されるチェスの大会「ケニア・オープン(Kenya Open)」が、今年も行われた。22か国から400人以上の選手が集まり、合計4万2千ドル(約560万円)の賞金が懸けられた。女性部門には99人の選手が参加し、ドイツ人のジョセフィン・ハイネマン選手(Josefine Heinemann)が優勝し、賞金3800ドル(約51万円)とトロフィーを勝ち取った。しかし優勝したハイネマン選手よりも注目を浴びたのが、スタンリー・オモンディさんだった。男性のオモンディさんはブルカで全身を覆い、眼鏡をかけた姿で女性として参加したのだ。イギリスの公共放送『BBC』などが伝えている。
イスラム教徒の女性が外出の際に全身を覆い隠す黒いブルカ姿でメガネをかけたスタンリー・オモンディさん(Stanley Omondi、25)は、4月6日から10日に行われた「ケニア・オープン」に、“ミリセント・アウォア(Millicent Awour)”という女性名で登録して出場した。
ケニア国内のチェス連盟である「チェス・ケニア」のバーナード・ワンジャラ会長(Bernard Wanjala)は『BBC Sport Africa』の取材に応じ、はじめはアウォア選手が男性であることに気づかなかったと述べている。女性がブルカを着用していることは普通であり、何の疑いも持っていなかったというワンジャラ会長だったが、