医療技術の向上や新薬の開発・研究などのためだけに生まれてきたビーグル犬が、米イリノイ州の動物保護団体に救助され、今月下旬に初めて外を散歩した姿が多くの人の涙を誘っている。生まれて初めて外の世界を知った犬が取った行動とは…。ペットのニュース専門サイト『Parade Pets』などが伝えた。
米イリノイ州シカゴの動物保護団体「One Tail at a Time(以下、OTAT)」のInstagramに今月24日、医療用の実験動物として生まれ育ったビーグル犬のメス“ドラ(Dora)”の初めての散歩の様子が投稿された。
動画は、リードを付けたドラがコンクリートの歩道をまるで這うように進む様子を捉えたもので、初めて見る世界に怯えているのか、進みは遅い。また姿勢を低くすることで、まるで自分を小さく見せているようにも思われ、慎重に慎重を重ねている様子がうかがえる。
それでもスタッフは優しく「グッド・ジョブ! ドラ! あなたはちゃんと歩いているわよ! よくやっているわよ!」と声をかけており、動画には「私たちはドラが“犬らしく生きる”ことを学んでいることに、ワクワクしているの。これまでとてもよくやってきたと思うわ!」と言葉が添えられている。
なおビーグル犬は小型で扱いやすく、温厚で多産であり、個体ごとの遺伝的な違いが少ないなどの理由から、今でも実験動物として世界中で使われているという。そしてしばしば劣悪な環境下に置かれて苦痛を強いられ、不要となれば殺処分されることも多い。そのため動物愛護活動家らをはじめとする多くの人々が動物実験の根絶を訴え、