眼科の症例報告を集めたアメリカの学術誌『American Journal of Ophthalmology Case Reports』の9月号に掲載された、中国の3歳男児の非常に珍しいケースが注目を浴びている。男児が感染したのは人間の血を吸うアタマジラミで、まつ毛に寄生して卵を産んでいたという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。
中国・河南省鄭州市に住む3歳男児が、右目の痒みと異常な量の目やに(分泌物)に1週間以上悩まされ、鄭州大学第一附属医院の眼科を訪れた。
男児の右目は当時、腫れて充血しており、両親は医師に「息子は砂遊びが大好きで、よく汚い手で目をこすっていた。祖母は硬貨を使い、男児の瞼の表面についた塊を削り落としていた」と話したという。ただし男児にはアレルギーや全身性疾患はなく、両目の視力は正常だった。
こうして行われた細隙灯顕微鏡検査で明らかになったのは、半透明の寄生虫が数匹、右上まつ毛に沿うように這いつくばっていたことで、まつ毛の根元には黄色い分泌物にまみれた多数の卵(ニッツ)を確認したという。
その後の検査で、この寄生虫はアタマジラミと判明。医師は男児の右目のまつ毛を短く切り、患部を消毒すると薬を処方した。
なお男児がいつアタマジラミに感染したのかは明らかにされていないが、