ケイティさんはルーシーさんにとって完璧な適合者であることが判明したのだ。
そして2022年10月3日、カーディフのウェールズ大学病院で生体腎移植手術が行われた。
術後数週間は合併症に苦しんだものの、その後は無事に回復に向かったというルーシーさんは、命の恩人であるケイティさんに感謝したうえで、今の気持ちをこう明かしている。
「インディのおかげでケイティさんと出会うことができて、とても感謝しています。当時はパンデミックの影響で手術まで少し時間がかかりましたが、ケイティさんのおかげで私の人生は完全に変わりました。今から4年前、私はセニッドに『5年以内に移植ができなければ命を落とすことになる』と伝えていました。私と同じ境遇の人は決して希望を捨ててはいけません。」
またセニッドさんはルーシーさんの現在の様子についてこのように語った。
「この5年間、ルーシーはずっと食事制限をしなければなりませんでした。それが今は好きなものを食べたり飲んだりできるようになって、普通の生活に戻りつつあります。ケイティさんがルーシーの人生を取り戻してくれたのです。私たちは偶然にもバリーのビーチに行くことになり、偶然にもケイティさんに会い、ルーシーは腎臓移植を受けることができました。私たちは人々に常に希望があることを伝えたいのです。」
偶然の出会いから腎臓移植手術を通じ、現在は強い絆で結ばれているというルーシーさんとケイティさん。2人は自分たちの経験をきっかけに臓器提供ドナーが増えることを願っているそうで、ケイティさんはドナー登録を検討している人に対し、次のようなメッセージを送った。
「当初、私は見ず知らずの人に臓器を提供する予定でした。ただその場合、私の腎臓が誰の手に渡ったのか、また手術が成功したかどうかを知ることはできません。私はそれでも満足でしたが、自分の腎臓を提供した人がどのように過ごしているか、それが人生にどのような影響を与えたかを知ることができる今、とても嬉しく思っています。そして現在、臓器提供を考えている人はしっかりと調べてほしいです。腎臓を提供することは献血と違って手術が必要なので、大きな決断をすることになります。心変わりすることもあるでしょう。それでも誰かの人生を変えたと実感することは本当に素晴らしいものです。」
画像は『WalesOnline 2023年4月25日付「Woman’s life saved after her dog found one-in-22 million matching kidney donor on Barry beach」(Image: Cenydd Owen)』『BBC News 2023年4月24日付「Barry: ‘A stranger I met at the beach gave me her kidney’」(CENYDD OWEN)(LUCY AND CENYDD OWEN)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)