当時のことをこう振り返っている。
「ベビーカーが動き出すのを見て、すぐに体が反応したんだ。あの時は考えている暇なんてなかったし、ベビーカーを止めることができると思っていた。だから実際に救うことができて良かったよ。もしあの場に自分がいなかったら、考えたくもないような悲惨な結果になっていただろうからね。」
「転倒した女性は、なんとか立ち上がろうとしてできるだけのことをしたと思う。私がベビーカーを押して近づいていくと、膝から出血しているのが分かったし、ショック状態で泣いていたよ。」
実はこの女性、男児の大叔母だそうで、自分では起き上がることができず、騒ぎを聞いて駆けつけたもう1人の男性に支えてもらい、やっとのことで立ち上がっていた。そしてロンさんはそんな女性に近付くとハグし、優しく言葉をかけていたようだ。
ちなみにロンさんは元トラック運転手で、2018年にガールフレンドを亡くして以来、ホームレスとして暮らしていたという。しかし3か月前、「人生をやり直そう」と女きょうだいのドナ・ガンダーソンさん(Donna Gunderson)の家に移り住み、その日は洗車場近くのファミリーレストラン「アップルビーズ」で仕事の面接を終えたばかりだった。
ロンさんと待ち合わせをしていて、現場近くにいたというドナさんは「女性の悲鳴を聞いてね。声の方向を見ると、ベビーカーが動き出しているのが分かり心臓がバクバクしたわ。あの時間はちょうど車の通りが激しかったし、車は80~88キロ(50~55マイル)で走っていたはずよ」と述べ、「今回の件は『風が強い日は特に、ベビーカーの車輪をロックすべき』といういい教訓になったと思う」と続けた。
なおこのニュースには「本当にいいタイミングで、いい場所に、素敵な男性がいてくれて良かった」「助けてくれた男性に感謝だね!」「彼こそヒーロー」「男性にいい仕事が見つかりますように」「誰か、彼を雇ってあげて!」「危機一髪だった。女性もホッとしていることだろう」といったコメントが寄せられている。
画像は『New York Post 2023年5月4日付「Homeless Good Samaritan on way to job interview stops baby in stroller from rolling onto highway」(A1 Hand Car Wash)(KNBC)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)