クジラは海洋生物の中でも知能が高いが、そのクジラがメキシコの沖合に現れて、ホエールウォッチングのボートツアーにきていた客を驚かせることとなった。クジラは頭についたクジラジラミを取り除いてもらうため、ボートに近づいてきたのだった。動物専門ネットメディア『The Dodo』などが伝えている。
メキシコのバハ・カリフォルニア半島に位置するオホ・デ・リエブレ湖は海と繋がっている潟湖であり、野生のコククジラの繁殖地として知られている。その湖で先月、ホエールウォッチング・ツアーのボートから撮影された野生のコククジラの動画が多くの人を驚かせた。
動画には、ツアーボートにゆっくりと近づく巨大なクジラの姿が映っており、クジラはボートの縁にいるツアーボートの船長パコ・ヒメネス・フランコさん(Paco Jimenez Franco)の目の前までやってきて、水面から頭を出した。するとパコさんは慣れた手つきでクジラの頭から、クジラに寄生する甲殻類の一種「クジラジラミ」を手で取り除いてあげた。
取り除いた後、パコさんはクジラの口先を「ポンポン」と手で軽く叩くと、クジラは体を回転して向きを変え、別の部分についたクジラジラミをパコさんに見せている。その姿はまるで「ここも取ってほしい」と訴えるかのようで、このクジラの一連の行動にボートに乗ったツアー客は非常に喜んだという。
パコさんは20年もの間、同水域でホエールウォッチングのツアーボートの船長を務めており、実はクジラジラミを取ってあげたのは今回が初めてではなかった。彼はクジラがブリーチングという水面で大きなジャンプをする理由が、クジラジラミを体から振り落とすためという説があることを知り、