国王は黒い傘を差しながら女王の彫像を覆っているパープルの幕を引き下ろした。彫像が姿を現すと、周囲に集まった何百人から拍手と歓声が巻き起こった。
女王の彫像は、ヨーク・ミンスターの石工職人リチャード・ボッソンズさん(Richard Bossons)がデザインと彫刻を担当した。ガーター勲章のローブをまとった女王の姿はフランスの石灰岩を彫ったもので、その高さは約2メートルという。女王の像の手前には、王位を象徴する宝珠と王笏の像が置かれている。
この彫像は今年6月に迎えた女王の即位70周年記念「プラチナ・ジュビリー」を祝うために計画され、8月に完成した。しかし女王は翌月9月8日に96歳でこの世を去ってしまった。そのため女王の崩御後に新たな彫像が披露されるのは、今回が初めてとなった。
英『BBC』によると、ヨーク大司教は除幕式に先立ち「国王にとっては個人的に母親のことであるため、悲しみに包まれる時間になるかもしれません。しかし同時に、国王を歓迎することは私達にとって名誉なことでもあるのです」と語った。
そして今回の除幕式について「素晴らしい祝福の機会となるでしょう。私達には感謝すべきことが沢山あるのです。新国王チャールズは、非常に感動的なスタートを切ったと思っていますから」と加えた。
この日の式典が行われる直前には、ヨーク旧市街への入り口である“ミックルゲート・バー”を訪問したチャールズ国王とカミラ王妃が、群衆の中にいた男から数個の生卵を投げつけられるというハプニングが起こっていた。卵は国王の体に当たらず、男は警官によって拘束された後に警察車両で運ばれていった。
画像は『The Royal Family 2022年11月9日付Instagram「Swipe to find out more about The King and The Queen Consort visit York and Doncaster today.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)