『ハリー・ポッター』の大ファンであるフランス人男性が、ホグワーツ城を実物大で再現するプロジェクトを立ち上げた。実際にホグワーツ城を完成させるには、10億ユーロ（約1456億円）の資金と20年の月日がかかるそうだが、男性は自分の夢を実現するためなら何でもするつもりでいるという。『France Bleu』などが伝えている。

『ハリー・ポッター』シリーズでハグリッド役を演じた俳優ロビー・コルトレーンさんが今月14日、72歳で亡くなった。この突然の訃報に『ハリー・ポッター』ファンは衝撃を受けたが、フランス南部オバーニュ出身のヴァレリアン・ラセイテさん（Valérian Lasseyte、32）もそのうちの一人だった。ラセイテさんは幼い頃から『ハリー・ポッター』が大好きで、シリーズ第1作が公開された時を振り返り「私は11歳でした。それは、ハリーを演じた俳優（ダニエル・ラドクリフ）の年齢とちょうど同じです。だから私は彼の冒険を追いかけ、彼と同じペースで成長したのです」と語っている。

しかし著者のJ・K・ローリング氏が創作したストーリーの中で、ラセイテさんのお気に入りは登場する魔法使いたちではなかった。ホグワーツ城に魅せられた彼は「ホグワーツ城を初めて見た時、すぐに引き込まれてその素晴らしさと存在感に驚きました。ロンとハリーが一緒に発見したお城は…何とも言えない感動。城には秘密の通路があちこちにあり、すべてが起こる場所なんです」と明かす。そして現在、この情熱は“完全にクレイジー”なプロジェクトへと変化し、ラセイテさんはホグワーツ城を実物大で造りたいと考えているのだ。

ラセイテさんが、ホグワーツ城を建設するアイデアを思いついたのは、数年前に友人と南仏ロゼール地方を歩いていた時だったという。「湖のほとりにいて、霧があって、森があって、岩があって…その風景がとてもリアルに感じられた。ここでホグワーツが見られると思ったほどです。今は城の模型しかない。では実際に再現してみてはどうだろうか。誰もやったことがないけど…」とラセイテさんと友人は夢の構想を始めたそうだ。

当初はこのアイデアを頭の片隅に置いておくことにしたそうで、ラセイテさんは「このような冒険をするのは、お金持ちになってからにしようと思ったんです」と笑う。しかし「何かすごいことを成し遂げたい」という情熱は消えず、