脳腫瘍と診断されて脳の25%を失った女性が、このほど大学の博士課程を修了した。女性はラジオ番組のインタビューに応じ、ハンデを背負っていても夢は達成できるというメッセージを送り、多くの人を励ました。『News24』などが伝えている。
南アフリカのケープタウンに住むエイミー・マーティンさん(Amy Martin、33)が脳腫瘍と診断されたのは、14歳の頃だった。体の左半身が麻痺し、話すこともままならなくなったため、母親がエイミーさんを脳神経外科へ連れて行った。そしてMRI検査を受けたところ、エイミーさんは小児脳腫瘍の「毛様細胞性星細胞腫(pilocytic astrocytoma)」と診断された。
その後、エイミーさんは腫瘍を取り除くために何度も手術を受けたが、頭蓋骨に4枚のチタンプレート、さらに16本のチタンネジが埋め込まれ、脳の容量の25%を失った。腫瘍は無事に取り除かれたものの、重度のてんかんなどに悩まされることになってしまった。
10代の多感な時期にエイミーさんは大病を患い、高校時代は授業に集中できずに成績が下がってしまった。人前では次の発作への恐怖を隠すことができたものの、剃り上げた頭には傷痕が残っており、無神経な同級生から好奇の目で見られることも多く、エイミーさんは「てんかんのせいで怖くて家から出られないことや、疲労感がひどく痛みに耐えられないこともありました」と当時を振り返る。
辛い高校生活ののち、エイミーさんは国内有数のステレンボッシュ大学に進学した。エイミーさんは「大学は高校時代に耐えた学問という縛りから解放された感じで、研究の方向性やどの勉強に情熱を注ぐかを決める自由があった」と述べており、