のちに「犬を射殺することもできたが、ジャクリーンさんは私たちの呼びかけに答えていた。ドアの外からは脚しか見えず、顔の怪我が酷いことに気付かなかった」と説明した。
ジャクリーンさんは病院に搬送後、何度も心停止を起こして蘇生されており、両親が事故の連絡を受けたのは約7時間の緊急手術の後だったという。そして事故から1週間は薬による昏睡状態に置かれ、医師らは臀部などから皮膚を取って顔に移植する形成手術を繰り返し、60日間の入院の末に退院した。
事故当時テキサス大学ダラス校の学生だったジャクリーンさんは現在、家族や交際して3年になるネイサンさん(Nathan、24)らに支えられてリハビリに励んでおり、2か月前には5ミリしか開けられなかった口が21ミリまで開くようになった。1回のリハビリで1ミリずつ口を大きく開けられるようにするのが目標だそうで、決して楽ではないリハビリをコツコツと続ける毎日だ。
ただ今後1~3年は手術が必要で、がんを克服したばかりだというネイサンさんは「彼女が僕をケアし愛を注いでくれたように、今度は僕が彼女を支える番」と語り、ジャクリーンさんのそばに寄り添っている。
なおジャクリーンさんは今年1月、夫妻に対し1億1860万円(100万ドル)以上の損害賠償を求めて訴訟を起こしたが、夫妻は「私たちには3人の子供がいて末っ子は3歳だ。2頭の犬は子供たちに対して攻撃的になることはなく、これまでは全く問題なかった。これは悲劇であり心が痛む」と述べるにとどまり、コメントを差し控えている。
そんな夫妻に対し、ジャクリーンさんの弁護士チップ・ブルーカー氏は「家の玄関ドアには犬が狂暴であることを警告するプレート看板が掲げられており、夫妻は犬の危険性を十分認識していた。事故後、捕獲した2頭の犬の検証を重ねた結果、非常に危険との結論に至った。ベンダーに関しては特に危険だ」と主張、テキサス州の判事は2頭を安楽死するよう命令を下した。
一方で夫妻からは未だにジャクリーンさんへの謝罪の言葉がないうえ、シッター代全額の支払いが済んでおらず、ペットシッター歴7年のジャクリーンさんは次のように述べている。
「飼い主は動物について理解し、ペットシッターにその特徴をしっかり伝えるべき。今回のように最初に会った時は全く問題がなかったのに、次の訪問で豹変したというケースは私にとって初めてのこと。このようなことになり何と言っていいのか言葉が見つからない…。ただ夫妻からは謝罪の言葉が聞きたい。」
「私はここにきてやっと、『自分が誰なのか』を晒す覚悟ができた。そうすることを怖いとは思わないし、今こそその時だと思う。」
ちなみにこれほどつらい思いをしてもジャクリーンさんは将来、動物と関わる仕事がしたいそうで、「願わくば犬の訓練士になりたい」と夢を膨らませる。
そしてそんな娘に母シャーリーさん(Shirley)は「娘は歩くことも話すこともできれば、鼻、耳、目にも問題はない。生き残ったのは奇跡であり、あの子はきっと大丈夫」と太鼓判を押す。そして父ジョンさん(John)はジャクリーンさんの前向きな態度、生き抜く本能、希望を称えて「あの子は限りない可能性を持っている」と目を細めた。
画像は『The Sun 2022年3月17日付「HOUND HORROR Dogsitter Jacqueline Durand, 22, left with ‘skin hanging from face’ after being bitten 800 TIMES in vicious dog attack」(Credit: Instagram/@j_claire99)(Credit: CBS Mornings)』『The Daily Star 2022年3月17日付「Student bitten 800 times by dogs reveals mangled face for first time since horror attack」(Image: CBS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)