昨年10月、イギリスで予定日より4か月ほど早く双子の赤ちゃんが誕生した。両親にとっては11年間の不妊治療の末にようやく授かった双子だったが、妊娠22週5日という早産だったため医師からは「生き延びる可能性はほぼゼロ」と告げられた。しかし双子は数々の困難を乗り越えてまもなく生後4か月を迎えるそうで、退院して家族みんなで過ごせる日も近いという。『The Mirror』などが伝えている。
英ダービーシャー州在住のジェイド・クレーンさん(Jade Crane、39)は昨年10月26日、予定日より4か月ほど早く双子の赤ちゃんを出産した。
ずっと親になることを望んでいたというジェイドさんと夫スティーブさん(Steve、52)は2010年以降、8回の体外受精と数回の凍結胚の移植を行ってきた。そして11年間の不妊治療を経て、ついに双子を授かることができたという。
しかし妊娠22週5日で誕生したハーレーちゃん(Harley)とハリー君(Harry)はそれぞれ体重約500グラム、身長約15センチととても小さく、英国では妊娠24週未満で生まれた赤ちゃんへの蘇生措置を行わないこともあって医師からは「2人が生き延びる可能性はゼロに等しい」と告げられてしまった。
ジェイドさんは当時のことをこのように振り返っている。
「妊娠22週に入って、体から何かが漏れているのを感じていました。それで10月26日にノッティンガムのクイーンズメディカル病院(Queens Medical Hospital)で検査を受けたところ、前期破水と判明しました。分娩開始の前に起こる破水が起きてしまったのです。医師からは赤ちゃんは助からないと言われましたが、胎動を感じていたので大丈夫だと思っていました。でもこの妊娠期間では生きられないと言われて。私は妊娠22週で生まれた赤ちゃんの生存率を知らなかったのです。」
「それからすぐに陣痛が始まってハーレーが生まれました。私が『泣き声が聞こえない』と言うと、看護師に『生まれるのが早すぎたからね』と言われたことを覚えています。でもその後に子猫のような泣き声が聞こえて。”生命の兆候”を示した娘に医師は蘇生を行うと決めたのです。破水が起きてハーレーが誕生してから1時間後、ハリーは卵膜に包まれた状態で生まれてきました。日本では赤ちゃんが卵膜に包まれて生まれるのは幸運に恵まれると知って、とても嬉しかったです。そしてすぐにNICU(新生児集中治療室)に運ばれた2人は、人工呼吸器をつけたまま治療を受けました。」
なお出産時に卵膜が破れることなく膜に包まれたまま誕生する被膜児は、