先天的に皮膚が弱くわずかな刺激でも激痛が走り、傷や水疱になって全身に広がる難病「表皮水疱症(EB)」と闘い続けた米カンザス州のマーキー・ジャケスさん(Marky Jaquez)が先月30日、21歳の生涯を閉じた。マーキーさんは医師に余命14歳(13歳との報道もあり)と言われるも、笑顔を忘れず常に前向きに生き、多くの人をインスパイアする存在だった。『Inside Edition』などが伝えた。
皮膚の遺伝性疾患である「表皮水頭症(EB)」を患う子供は、皮膚が蝶の羽のように脆いことから“バタフライ・チルドレン(蝶の子)”と呼ばれる。EBは皮膚組織を構成するタンパク遺伝子の変異で生じ、対症療法以外の治療法は確立されておらず、手や足の指が癒着したり、固いものが飲み込めないなど日常生活に支障が出る。また常に体に傷があるため感染症になりやすく、潰瘍、皮膚がん、内臓障害などの合併症を起こすこともある。皮膚だけでなく、口の中やまぶた、眼球、耳の中、食道などの粘膜にも影響が現れるため激痛を伴うが、世界には50万人の患者がいると言われ、そのほとんどは子供たちだ。
マーキーさんの場合、唾を飲み込むだけで食道の粘膜に傷ができるため、生後6か月の時からチューブで栄養を摂ってきた。また歩くことや外で思い切り遊ぶこともできず、毎朝激痛に耐えながら、母メリッサさんに水疱の処置や全身のガーゼ(近年はドレッシング材)の交換をしてもらっていた。
一家は2013年、マーキーさんの兄で当時14歳だったカルロス君を同じ病気で亡くしており、メリッサさんは過去に「この病気と闘うことは肉体的、精神的な痛みとの闘い。本当に覚悟がいるの」と述べていた。そして昨年12月30日、