イギリス在住のカイ・クレイ君(Kai Clay、7)は、稀な皮膚疾患「毛孔性紅色粃糠疹(もうこうせいこうしょくひこうしん)」を患っている。このたび母ニキータさん(Nikita、27)が病気に苦しみながらも笑顔を絶やさない息子について語り、「この病気を多くの人に知ってもらい、病気の解明や治療法の研究開発が進むことを期待したい」と訴えた。『New York Post』『The Mirror』などが伝えている。
英ダービーシャー州アルフレトンに住むカイ・クレイ君の皮膚に最初に異常が現れたのは、生後6か月のことだった。首、腕、脚にできた赤い発疹がかさぶたとなって剥がれ落ちるようになり、医師は「湿疹、または乾癬でしょう」とステロイド軟膏を処方したが、しばらくすると再発。数種のステロイド剤を試してもあまり効果はみられなかった。
そして4歳になると症状が悪化し、カイ君は全身が膿疱性発疹で覆われ、血液中に侵入した菌により感染症を発症して命の危険に晒された。キングス・ミル病院の皮膚科で抗生物質を処方されたカイ君は、クイーンズ医療センターでの生体組織採取検査で「毛孔性紅色粃糠疹(以下、PRP)」と診断された。
PRPとは皮膚表面に近い部位に炎症が起き、手のひらや足の裏、胸や腹などがざらざらし、皮膚が分厚く硬くなる。また白っぽいフケのような垢を伴う紅斑が現れ、乾癬のように皮膚がポロポロと剥がれ落ちる。重症化すると発疹がつながって全身が真っ赤になり、発熱や関節痛を起こすこともある。遺伝性とも言われるが原因ははっきりせず、完治が難しいため対症療法が行われる。
実は当時、カイ君の担当医はPRPについての知識がなく、世界中の医師とビデオコールをして情報収集にあたったそうで、